山神トンネルに夢参りに行った話
2019/09/08
神奈川県にある有名な心霊スポット、山神トンネル(化けトン)にまつわる、僕らの恐怖体験を話そうと思います。
それは、僕たちが小学生の頃であった、25年以上前の夏休み話。
夏休みの思い出にと、僕ら友人5人で、地元の心霊スポット、山神トンネルに行こうとなりました。
山神トンネルは、七沢川に沿って山の方に上り、キャンプ場があった場所です。
当時から、この山神トンネルは、心霊スポットとして知られていました。
私は怖がりだったので、そういうことは極力聞かないようにしていたのですが、毎夏やる心霊特集に感化された、友人と一緒に行くことになってしまいました。
真夏の熱い中、自転車と飛ばし、川で涼みながら、山神トンネルと目指しました。
坂道を必至で上り、到着した頃は、ひぐらしがカナカナとなく、夕方になっていました。
トンネルの中は真っ暗で、なんの明かりもついていません。
あたりは痛いくらいのセミの鳴き音と自分の心臓の鼓動が痛いほど。
僕は、「今日はもう遅いから見れただけいいじゃん。」と、いう声が震えていたと思います。
しかし、友人数人は、トンネルの仲間で見に行こうぜと、行ってしまいました。
僕も仕方なく、後をついていくと、そこは落書きと、ゴミだらけの何の変哲もないトンネルでした。
確かに、なにか違和感を感じる気もしましたが、僕は冒険を成し遂げた勇者のような誇らしい気分になっていました。
友人たちもそうだったのでしょう。
みんなが、喜びとも残念とも混じった会話をしていると、Aさんがこんな提案をしてきました。
それは、当時の学校で、流行っていた「夢参り」という遊びで、文字通り、心霊スポットを夢の中で行くというものです。
夢の中なので、当然夜行うもので、夢ではなく、幽体離脱した自分が本当に行っているというものでした。
「今日の夜、夢参りで、みんなでここにこようぜ!」という提案をA君がし、その日は帰ることになりました。
私は、当然怖かったので、夢参りは考えないようにして寝る努力をしました。
楽しいアニメを見て、美味しいご飯を食べて、お風呂に入って寝るだけです。
しかし、その夢参りが頭から離れません。
遠出をしたために体は疲れているのに、目が冴えて寝ることができませんでした。
時刻は、12:00を過ぎた頃。
僕は目を覚ましたんだと思っています。
起きた僕は、寝間着のまま玄関を開け、夜道を歩いていきます。
行きたくないのに、足が勝手に歩いて行ってしまうのです。
電灯がある明るい道から、真っ黒なぽっかりとした穴のような明かりのない通路を通り、ついたのは、案の定、山神トンネルでした。
そのトンネルの中は、暗いを通り越して強い存在感だけがありました。
気がつくと隣に友人のA君がいて、「お前も来たんだ」と、言われました。
まだあった、昼間の余裕はありません。
入るともさることも、その真っ黒な存在感から目を話すこともできずに、しばらくふたりで立っていました。
私は、「夢なら早く覚めてください」とずっと祈っていました。
その時、大きな白い鳥が「ケェー」と大きくないて、二人共金縛りがとけ、坂道を全速力で逃げました。
A君が、「まてよ、足が、足が」と言って、転んでも、僕は全速力で逃げました。
起きると、自分の部屋で汗びっしょりになっていました。
翌日A君とも会いましたが、夢参りのことは話題にならず、その後もなんてことのない日々を過ごしていました。
当たり前です、夢の話なんですから。
でもそのA君が2年後、足の靭帯を切って入院したのは、、、やはり偶然のことなんでしょうか?
今でも、この時期になると思い出します。