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不思議な体験談

下駄の音

2019/10/08

沖縄の方では田舎の家の前を夜になると下駄の音だけが通りすぎるといった現象もあるらしい。

私が遭遇した「下駄の音」というのは、つい2、3日まえのこと。

それは、9月の下旬に入ろうとしていた、ある日の午後のこと。

まだ、時間は7時を過ぎていくらも経過してはいなかったけれど、車に乗っていた私は大きな交差点手前くらいのところでその音を聞いた。

その音は、下駄の音で「カラン コロン」と左の座席の外の方から響いてきた。

少し蒸し暑く、窓を開けていたのでよくそれが響く感じだ。

「あれっ」とちょうど交差点の信号で車を止めていたので、左側に誰か下駄を履いて歩いている人の姿があるのでは、と外の方を確認してみる。

誰もいない。

ただ、その場所は左側には大きな大きすぎるといった方がいいようなパチンコ屋が存在していて、その明かりもまばゆいくらいだった。

駐車場があり、「その人たちの足音か?」と耳を澄ませてみても何も下駄ばきでパチンコしに来ているのだろうか?

それにしてもその下駄の音はすぐ車の近くに聞こえる。

とたん、「はれっ?ゲゲゲの鬼太郎の下駄の音ではないの?」と途端に思ってしまったけれど、もう一度「カラン コロン」と音が聞こえるではないか?

その音については、怒っているようでもなく、笑っているようでもなく、なにか軽い感じ。

なにかを転がすようなよく響く下駄の音。

「鬼太郎の下駄の音」と感じたときから、それは「怖い音」ではなく、なにか親近感さえ感じるような音だった。

その日私はなぜその場所を通らなければならなかったかというと、それは娘の出産に立ち会わなければならなかったからだ。

陣痛の時間から出産までの時間、ものすごい緊張とストレスのため、出産後はホッとした気分もぬぐいきれなかったせいだろう。

身体中の力が抜けたあとには、そのような自然現象のような音を耳にすることは多いかもしれないし。

ただ、気になることも多い。

この辺はこの頃開けてきた市街地でときどき変質者の噂話も聞くことはあった。

どうりで、調べてみると下駄の音を夜中に聞くときには変質者が出ることも多いらしい。

この辺ではけっこう有名な話だ。

また、付近では若くて事故死した青年のお墓が銅像として建っていたり、パチンコ屋のトイレでは子どもを連れた若い母親が自殺したとか、しないとかの噂話もある。

最近の話では、すぐパチンコ屋さんの裏の大きなホームセンターで裸になった、中年の女性が体にトイレットペーパーを巻き付けて、朝早く発見されたということ。

また、そこではむかし従業員の女性が大きな事故で亡くなっていたことも思い出す。

これは命には別状もなかったけれど、とても不可解な現象だ。

ニュースにもなったかもしれないけれど、それ以来その話については何も情報も入ってはこない。

そういうように、その場所は何か特別な場所かもしれない。

ひとつ不思議なことは以前はそこの場所は3文字で表されていたにも関わらず、最近は真ん中の一文字を抜いて二文字になっていること。

なぜ、そうなったかというと真相はわかならいところもあるが、3文字の地名は交差点付近では真ん中の文字がだんだんと薄れてきて、それがそのままいつのまにか二文字になってしまったということがある。

また、どうして私には耳障りの悪くはない「カラン コロン」という音が聞こえてきたのだろうか。

つまり、大きな人生の節目でも出産という現場に立ち会ったことでなにか緊張から解き放たれたということと、もうひとつ「事故などに気をつけなさい」とか神がかりな注意の要素もあったのかはしれない。

これは怪奇現象というよりも快気現象といってもいいくらいだ。

 

 

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