天狗神社で消された友人
2019/09/16
愛知県の地方の森の中にひっそりとたたずむ恐怖の神社があります。
その名は天狗神社。
地元ではすごく有名とまではいかないまでも、知る人ぞ知る心霊スポットとなっていました。
当時16歳だった僕は、地元の祭りの帰りで友達5,6人と集まって遊んでいました。
夜10時も過ぎ、祭りもにぎわいも落ち着いたころ友人の一人が「なあ天狗神社行ってみない?」こう切り出しました。
正直僕は想像しただけで震えました。
僕はそれまで天狗神社には行ったことはなかったのですがその近くは通ったことが数回あり、そこは昼ですら暗く禍々しく重くるしい空気が流れていました。
あんな場所に夜に行くなんてヤバすぎる!
本当に行くのか?
そんなふうに思いながら、グループの中心メンバーであった僕はビビってると思われたくなく恐怖を押し殺しながら、別に俺はどっちでもいいよ!なんて言いながら強がっていました。
そんな願いもむなしく、このグループのリーダーであるA君が「じゃあ行ってみたことないなんてショボいから、一回だけいってみるか!」と発言したことで行くことになってしまいました。
あの恐怖の神社へ。
僕がここまで恐怖を感じていたのには、天狗神社の伝説を姉から聞いていたからです。
天狗神社には入り口に大きな天狗の像があるのですが、通常その像の目がオレンジ色に光っています。
この目が赤く光っている時があるらしいのですがその赤く光る目を見てしまった人は消されてしまうのです。
それに加えて天狗神社には修行僧がいるらしく、そこの修行僧は浮世離れしており見つけた人を襲ってくると。
今考えれば完全な都市伝説のような笑ってしまうような内容ですが、当時札付きのワルで何事にも動じない姉から真顔でそんな話を聞かされれば、それだけでとても説得力がありました。
夜中の田舎道を原付で飛ばし僕らはいよいよ天狗神社のある地域に近づいてきました。
やはりいつにも増して禍々しい雰囲気……
みんなも一様に口数が減り怖がっているようでした。
さあついに天狗神社に続く小道に到着し、天狗神社に向かい歩を一歩一歩進めます。
みんな誰も話さないため鳥の声やカエルの声が響き渡ります。
そしてついに天狗の像の前に立ちました。
驚愕しました。
目が赤く光っていました……
あまりにも無情に真っ赤に光る目を見て、みんなが叫びながら一目散に逃げ出します。
その目を見てしまってからは、もう一度見に行ったりする気力もなくみんな完全に落ち込んでいました。
僕の絶望しながらも「いや普通に考えて消されるってどうやって消されるの?」「本当に消されるならニュースとかになるはずだし非現実的過ぎるからこんなの信じるなって」こんなに自分にも言い聞かせるようにみんなを励ましました。
しかし、その非現実的な事がこの後実際に起こってしまいました。
友達の一人が突然謎の失踪をし、行方不明になってしまったのです。
まったく真相が不明で口座もまったく手付かずで未だに行方が分かっていません。
すでに10年以上も経過してますが16歳の少年がいきなり行方を告げず、何年も行方をくらますなんて。
天狗の目がこのことに関与してるか分かりませんが、僕の中では天狗伝説が本当に起こってしまいました。
みなさんも天狗神社に行くときはどうぞお気をつけて……