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怖い体験談

何度もすれ違う老父と子供

2019/09/01

これは僕が高校2年生の時の話です。

当時、僕はガソリンスタンドでアルバイトをしていました。

その日も学校から帰って、バイクに乗り換えてアルバイトへ向かいました。

 

 

そして、夜の9時過ぎ、アルバイトを終え、バイクで自宅に向かって走り始めました。

ガソリンスタンドを出発してしばらく走り、自分が通っていた小学校の横を通りました。

当時の僕の背の高さくらいあるコンクリートの塀に沿って、中央分離線がない程の幅の道を進みました。

すると、大きくて毛の長い白い犬を散歩させている、70代位の老父と、小学生に上がる前位の小さな男の子が、道路の右側、白線で区切られた歩道を、こちらに向かって歩いているのが目に入りました。

よくある光景だったので、その時はさほど気にはとめなかったのですが、大きな白い犬が特徴的だったので印象に残っていました。

 

その犬と老父達とすれ違い、もうしばらくバイクで走ると、信号のないT字路に差し掛かりました。

そのT字路は標識が一旦停止になっているため、いつものように一旦停止をし、左右の確認をしました。

右を見て左、そしてもう一度右の順番で確認したのですが、2回目に右を確認した時に、先ほど学校の横ですれ違った白い犬を連れた老父と子供が、こちらに向かって歩いて来ているのが目に入りました。

2人は特に会話をしている風でもなく、犬も老父も男の子も、真っすぐ前を向いて黙って歩いているようでした。

その時も、僕はとくに気にとめることもなく、車が来ていないことを確認し、バイクを発進させました。

 

そして、またしばらく走ると、今度は信号のない十字路に差し掛かりました。

こちら側からは一旦停止の指示がないため、バイクのギアを下げ、スピードを落としながら、自宅に向かって右折をしました。

田舎なので街灯もなく、月明かりと自分のバイクのライトしかない夜道を進みました。

歩道もないような、車が行違うのもやや困難な程の道をしばらく走ると、遠くに道路の右側を歩く人影が見えました。

道幅も狭く、真っ暗で、頼りになるのは自分のバイクのライトのみなので、僕は少しスピードを落とし進むことにしました。

 

その影に、自分のバイクのライトが当たると、姿が確認できました。

それは、またしても先ほどの白い犬を連れた老父と男の子の後ろ姿でした。

 

僕は、「小さい子も一緒なのにこんなに遠くまで散歩して大変だな」と思いながら、スピードを落としてその横を通り過ぎました。

その瞬間に気が付いたのですが、その白い犬と老父達と初めてすれ違った学校の横から2回目に見かけたT字路の距離も、そのT字路から今追い抜いたこの場所の距離も、どちらの距離も徒歩での速度、ましてや小さな子供連れでの徒歩では到底たどり着かない距離なはずなのです。

考えてみれば、自分はバイクで走っているのにも関わらず、その道中で3度も遭遇することはあまりに不自然だったのです。

そのことに気づいた途端、バイクで走りながら感じる心地よい風とは全く別の、ゾクッとする冷たい風を感じたのを今でも覚えています。

そのことに気が付いた瞬間、反射的にその老父達を確認しようとバックミラーを覗いたのですが、街灯もない暗い夜道だからなのか、確認することはできませんでした。

後になって人から聞いた話では、その老父達に2回目に会ったT字路で、何年か前に犬の散歩中だった老父と5歳の男の子が、一旦停止無視をして左折したトラックによる巻き込み事故にあった、という事故があったそうです。

 

 

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