おじいちゃんが亡くなってから急に涙もろく……
私は二年くらい前に怖いような、不思議なような体験をしました。
14歳の頃にとても大好きだったおじいちゃんを白血病で亡くしました。
小さい頃からずっと私の子守をしてくれて、可愛がってくれていたおじいちゃんでした。
おじいちゃんが入院していたのは知っていたのですが、当時白血病が何なのか分からず過ごしていました。
ある日おじいちゃんがそろそろ危ないかもしれないということで何日間か学校を休み病院に泊まっていました。
おじいちゃんは熱も高く、記憶も曖昧で浮腫んでいました。
母も寝ないで看病していて疲れているようでした。
おじいちゃんは熱も高かったので、おでこのタオルを泣きながらかえていたのを覚えています。
小さい頃からじー子、じー子とバカにしてた私ですが、そんな言葉を言っても笑って何も返さないおじいちゃんを見るのはとても辛かったのを覚えています。
そんなおじいちゃんの容態が急変し、鼻から血が止まらず焦っていた私は、母を支えながらずっとおじいちゃん、おじいちゃんと叫んでいました。
おじいちゃんは、1度だけ大きい息を吸って旅立ちました。
それからというもの、死を間近に感じたせいなのか、おじいちゃんのことを思い出しては泣き、写真を見て泣き、おじいちゃんがいた病院を見て泣き、私はとにかく涙もろくなってしまいました。
それを、10年間繰り返してきました。
今考えてみると、それは明らかに異常な状態でした。
おじいちゃんが亡くなってから10年間、とにかく涙もろいという状態が続いたのですから……
そんなある日知り合いの方から神社を紹介していただきました。
その頃私は階段を上ったり降りたりするのもきつく息切れが凄かったのをおぼえています。
そこの神社に行って、涙もろくなった10年間の話をしました。
そして、息切れが酷いことも相談し見てもらうと、左肩が痛くないか聞かれ、すごく痛いと答えると心臓が悪くなってきて死に向かいよるよ、と言われ払ってもらいました。
そして、毎日のように泣いてた私ですが、それも見てもらうことにしました。
すると、その方には、おじいちゃんがずっと私についていたということが分かったと言うのです。
とても真面目な方だったでしょ? と聞かれました。
思えば、確かに真面目で頑固なおじいちゃんでした。
おじいちゃんは、真面目だから、ずっとお墓の前で待っていたそうです。
その人とおじいちゃんが話をすると、天国に戻るという話をしたそうです。
私からも離れると言ったそうです。
それからお祓いをしてもらったのですが、その時、あたしではない誰かが、静かに泣いていました。
それはまるで、私の体を使っておじいちゃんが泣いているようでした。
お祓いが終わった日からおじいちゃんの話をしたり病院を見たり思い出したりしても一粒の涙を流すことがなくなりました。
息切れが酷かったのもスッキリ取れて、今現在元気に過ごしています。
今でもあの不思議な体験は何だったのかよく分かりません。
今ではわざと泣かせてきた母がよく、薄情な孫だねって言ってきますが、これが普通なのかもしれません。
10年間ずっと泣いてきつい思いをしてきたわたしですが、10年間おじいちゃんが見守っていてくれて嬉しかったなと感じました。
10年間の涙はおじいちゃんが苦しんでた涙なのかそれとも、まだ生きたいという気持ちの涙なのか私には分かりませんが不思議な体験をさせていただきました。