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怖い体験談

謎の内線電話

2019/01/05

これは私が福岡県のある青年自然の家で臨時職員として働いていた時の話です。

もともと施設があった場所は霊山として有名な所で、心霊現象を初めとして不思議な現象がよく起こる場所として有名な所です。

 

私自身、それまで全く心霊現象を体験したことはなく、どちらかというとあまり信じていませんでした。

働き出しても、独特の雰囲気はあるけど、怖いなと思うようなことはなく、しかし、前から働いている職員の人からは、

「色々おかしなことがあるから覚悟しておいた方が良いよ」とはよく言われていました。

 

そんな風にし一ヶ月ほど経ったくらいから、実際におかしなことが起こり始めました。

 

当直の際、館内の見回りをしていると、1日使っていなかった研修室の窓が全開で、カーテンまできれいに開けられていました。

仕方なく研修室の中に入り窓とカーテンを閉めていると廊下を走り去るような音が聞こえました。

その日は昼で全ての研修生が退所しているので誰もいないはずでした。

また見回り中、はしゃぐ子どもの声が聞こえて、確認してみても誰もいません。

その時屋上に通じる階段を駆け上がる音が聞こえたので、階段を確認していたのですが、やはり誰もいませんでした。

 

私だけでなく、他の職員や掃除のおばちゃんや給食のスタッフまでが体験していました。

私は、本気でここはヤバいかもしれないと思い始めました。

 

ちょうどその頃、別のトラブルが発生しました。

 

内線電話の不調です。

施設が広いため、連絡用に各研修室毎に内線電話が設置されており、職員室と繋がっていました。

誰もいないはずの研修室から内線電話が職員室にかかってくるようになったのです。

内線を取っても何も聞こえません。

初めの頃は怪我や病気をした研修生が手近な内線で伝えてきたのかもしれないと、すぐに応答したのですが、何も聞こえません。

確認のため研修室に向かったのですが、やはり誰もいません。

 

青年自然の家が築30年以上経過しており、設備が老朽化して色々な所が故障していました。

しかし予算の問題で、優先順位をつけ、緊急性の高い方から順に修繕していましたので、内線は特に実害がないということから、修繕されず様子を見ることになりました。

 

1ヶ月ほど放置されていたのですが、日に何度か無言の内線がかかってきては確認するということが続きました。

もちろん誰もいません。

一度私が取った時に気付いたのですが、内線は受話器を上げた状態で繋がっていました。

その日雨が激しく降っていたのですが、受話器の向こうからもかすかに雨の降る音が聞こえたのです。

私は気味が悪くなり、それからはできるだけ内線を取らないようにしました。

その後、内線がかかってくる部屋が徐々に絞られていき、最終的には3階の大ホールとキャンプ場の2カ所だけとなりました。

 

ようやく予算の目処が立ち、業者の修繕となったのですが、完了報告に来た業者が怪訝な顔をしていました。

話を聞くと、大ホールとキャンプ場の内線用の回線が切れており、内線がかかるはずがなく、試しに内線を掛けてみたが、繋がらなかったそうです。

一応回線は修理したので、様子を見てくれと言って帰って行きました。

 

その後、無言の内線はかかってこなくなりました。

今でも、なぜ内線がかかってきていたのか、分かっていません。

 

 

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