片手に布切れは正夢の扉
2019/09/01
当時、幼い頃の話です。
その頃は、一軒家ではなく平屋建ての家作に家族4人で住んでいました。
家の周りは、砂利で覆われていて歩きにくく、でも親父が帰ってくると砂利の音が教えてくれて今では、懐かしい思い出です。
またその頃は、すごく貧乏でした。
人生でマックスと言うほど食べる事もままならない位に生活が大変でした。
ですが、その生活は貧乏ながら幸せな生活でした。
それは、周りの家に住んでいる皆さんが明るい為でした。
夜になるとオカズを持ち寄り分けてくれたり、昼間はずっと一緒に居てくれたり本当に良い人達でした。
当時は、今と違い近所では付き合い関係があり、とても和気藹藹でした。
そんな生活を昔は日々送っていたのです。
まだまだ幼少期ではありましたが、近所の温かさが好きでした。
ですがある日、私達家族は親父を残してお袋の実家に帰京することになりました。
理由は今も聞いてはいません。
そのお袋の実家は、私達兄妹が行くのは、最初でした。
その為、お袋の実家に着くのに、胸を躍らせていました。
それは、お袋の実家に初めて行く事もあります。
ですが、何よりお爺ちゃんに会うことも初めてだったからです。
なので兄妹ともに嬉しかったのです。
そうしてお袋の実家に着いた時に始め感じたのが、とても昔的な作りの家だな、という感じでした。
また、何故か懐かしい感じがした事を今も覚えています。
それから、お袋の家に飾ってある沢山の勲章。
それに槍や刀などが今も覚えています。
また、二階には上がってはいけない事も覚えているのです。
そうして、お袋の実家での暫くの生活が続きました。
その生活は、約半年になったのを思い出します。その生活の中で、私は一度だけ約束を破ってしまった事があります。
それは二階へ上がる事です。
好奇心から二階に上がってしまったのです。
私はお袋達の居ないことを確認して二階に上がりました。
すると何もない単なる木造の二階でした。
しかし、中ぐらいの古びた手に何か持っているお人形がありました。
私が、近寄ろうとした時にお袋に発見されて、往復ビンタをくらい断念です。
また、お爺ちゃんからは、烈火のごとく叱られその日は、ずっと正座だったのを覚えています。
今では、この二階へ上がる事をしなければ、良かったと後悔をする時が月に二回訪れるのです。
それはこんな現象が起きるからです。
まず、夢の中で落ちる夢を見ます。
そうしてある程度落ちたら着地して何とか地面に立って踏ん張るのです。
踏ん張っている時に必ず現れるのが、あの時に二階で見て古びた人形です。
そうして同じ場面で必ず目が覚めます。
その場面は、大きな滝の下です。
必ずと言っていいほどこの滝の部分で目を覚まします。
目が覚めた時、幼い時は泣いていましたが今は、少し慣れました。
ですがもの凄い量の汗はかきます。
また慣れる事も良いのですが、引っ越すとそうは行きません。
場所が変わると一からです。
この間は、引っ越した玄関先のロビーの地面に立っているのです。
これでは、不審がられてしまいます。
しかも私自身が寝ている状態なので、どう行ったか解らないのです。
また時には、ベランダや玄関などもあります。
基本的に地面がコンクリートの場所が多いです。
習性的に何故か分かりませんが、片手にはタオルかハンカチを持っている事が多いのです。
この行動は、お酒で酔って眠ってしまってもありますし、素面でもあります。
特に夏場が多いです。
丁度、私がお爺ちゃんの家に行った時がその頃であり、二階に上がったのもその頃なので、そうなのでしょう。
私が二階に上がったばかりに、意味の解らない異常な行動が出てしまう様になってしまうこの体なのです。
また、今ではもうお爺ちゃんのお家自体が、無くて遺品も無いので掴めませんが、お人形が持っていたのは何だったのでしょう。
非常に気になります。お袋にも中々聞く事が出来ません。
何かある人形には、間違いないでしょう。
もしかして、正夢の扉を開かせようとしているのではと疑ってしまう所です。