鹿児島県指宿市池田湖近くのトンネルで感じた『憑りつかれる感覚』
2019/09/14
今からおよそ20年前、前の仕事で鹿児島各地を駆け回っていた頃の話です。
新規で飛び込みの営業をしなければならない為、通ったことの無い道を走って仕事を探すのが日課となっていました。
それは8月下旬の残暑が厳しい日の出来事でした。
指宿方面に行くということもあって暇を持て余していた友人を誘って、半ばドライブがてら仕事をする感じでした。
指宿と言えば池田湖でご存知の方も多いのではないでしょうか?
そうです。
一時期かの有名なUMA、”イッシー”で話題となった池田湖です。
昼ご飯を食べて池田湖に寄って、頴娃(地名:えい)を抜けて加世田市方面へ向かおうと通ったことのない道を探して走っているとトンネルが見えてきました。
池田湖の北部に在るトンネルです。
周りは雑木林に囲まれ田舎の抜け道にある小さなトンネルといった感じで、大きな車同士の離合は厳しいくらいの幅だったと記憶しています。
長さは100mないくらいだったでしょうか。
トンネルに入ってすぐに何かが”入って来た”のがわかりました。
そうです。
俗に言う憑りつかれるというヤツです。
それは今まで体験したことが無い感覚で肩が重くなるとか、そういった類のものではなく何かが体の中に入ってくるという表現がピッタリで、私はすぐに「何かが入って来た」と声に出しました。
当然ながら同乗していた友人は突然のことに驚き、何が起こったか分からないといった表情でした。
皆さんは”抜糸”をしたことはありますか?
ケガや手術などで縫合した後に行われる抜糸です。
憑りつかれた時の感覚は背中全体に通っている糸を、”一気に全部下に向かって抜糸したような感じ”というのが一番近い表現だと思います。
しかしながら気持ち悪くなるとか頭が痛くなるとかそういったこともなく、ただ何かが入って来たという感想で、怖いとは微塵も思わなかったことを覚えています。
具合が悪くなっていればお祓いとか除霊とか何かしらの対策を施したと思うのですが、その後は何の異変もなく普通の日常生活を送っていました。
何かが体の中に入ったままで…
不思議な体験をしたなと思っていましたが、入ったのはハッキリとした自覚があっても出ていった感覚はなかったので「まだ入っているのかな?」「気持ち悪くないから邪悪なものではないよね?」と不安も多少はありました。
そして1週間が過ぎたころ夜中寝ていると異変が。
普段は横向きに寝ることが多いのですが、うつ伏せで寝ていたその時のことです。
お尻の辺りが激しく左右に揺れて目が覚めました。
目が覚めるほどの強烈な揺れ、というより大きな振動のような感じです。
例えるなら両手でお尻を鷲掴みにされて、大きく早く激しく揺さぶられているようなイメージです。
時間にすると2~3秒程度だったと思いますが、想像してみてください。
当時一人暮らしだった私は1人きりの部屋で、誰も居ない、何も触れていない状態でお尻が激しく揺れるんです。
そして今度はお尻から何かが出て行くのを確かに感じました。
お尻と言っても尾てい骨と腰骨の間くらいの場所です。
時計を見ると夜中の2時を少し過ぎたころ…
時間を見た時に少しだけゾッとしましたが、入った時と同じく特に怖いとは思いませんでした。
そして出ていったことで体が軽くなったとか楽になったとかそういう事もなく、ひと夏の体験が終わりました。
入ってくるときは抜糸に例えましたが、出ていくときはお尻に乗せたハンカチをフッと持ち上げたくらいでした。
ただ、その前の揺れが強烈でしたけど。
今でもこの話を人にする事がありますが、およそ信じてはもらえませんね。
というか、笑われます。
でも、まぎれもない事実。
嘘をつく必要も理由もありません。
もし憑りつかれた感覚はあるのに出ていった感覚がないなら、まだあなたの中に入ったままですよ……