ワイノメ

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怖い体験談

放課後急に男の叫び声が放送で……

2019/09/01

私が中学でバレー部だったころ、ある日練習試合の準備に時間がかかり、帰る頃には外は真っ暗。

体育館にはバレー部しか残っていませんでした。

さあ帰ろうとした時、ブンッ!と体育館のスピーカーからマイクの電源が入った音がしました。

放送室は体育館の横にありますが普段はお昼に放送部が使うか、たまに先生を呼び出す時にしか使われておらず、こんな放課後の遅い時間に放送がかかるなんてことありませんでした。

 

 

「なんだろう?」と友達と話していると、次第にマイクが拾うざわざわした音の中に布が擦れたり椅子を引くような人の気配が聞こえて来ました。

誰かいるのかな?

と思った次の瞬間「あーーーーーー!!」と大きな男の声が体育館に響きわたりました。

大きな低い声ですが、叫んでいるというよりサイレンのような無機質な声。

そしてその声は止むことなく、まるで壊れたように「あーーーーー!!」を繰り返します。

その異常さと気味の悪さに全身に鳥肌が立ちました。

 

友達は「なにこれ?なにこれ?」とパニック状態。

後輩は怖がってその場に座り込んでしまいました。

広い体育館で四方のスピーカーから異様な男の声が響いてくる状況にただおののくことしか出来ません。

ひょっとすると変質者が夜の学校に忍び込んで放送室にいるのかもしれない。

しかし、体育館の正面扉以外はもう施錠されてしまっているのでこの状況から抜け出すためには正面扉から逃げなければなりません。

その正面扉の開けたすぐ横の廊下に放送室があるのです。

逃げようとすれば声の主と鉢合わせする……

 

そんな恐怖に動けなくなっている間にも男の「あーーーーー!!」という声はどんどん大きくなっていく気がします。

とうとう友人も泣き出してしまいました。

 

その時部長が「私が放送室を見てくる!」と言って正面扉に向かいました。

先生か警備員さんを待った方がいいのではと思いましたが部長は後輩たちを泣かせたイタズラ(もはやイタズラというレベルではないと思いますが)に心底怒っているらしく早足で出て行こうといます。

私は心底怖かったですが部長1人で行かせるわけにもいかないと、他の部員たちとビビりながらついて行きました。

体育館の重い扉を開けると暗い廊下のすぐ先に放送室の「使用中」のランプがが赤々と光っているのが見えたと思った次の瞬間、それがフッと消え、男と声と放送音もブツッと途切れました。

慌てて廊下の電気を付けましたが人の気配は全くありません。

 

みんな呆然としていると向こうから先生が「あなたたちまだ残ってたの?」と懐中電灯を持って歩いて来ました。

先生の姿を見たらホッとして体から力が抜けてしまいました。

部長は今起こったことを話しましたがさっきまでランプのついていた放送室は鍵がかかっていてなかには誰もおらず、窓も空いていません。

廊下の向こうから歩いて来た先生も誰も見ていないと言います。

しかも先生は放送も男の声も聞いていないというのです。

そんなバカな!と困惑する私達を、先生は自分をからかっているのかと疑ぐりの目で見ましたが、体育館で怯えて固まっている子たちの様子を見たらどうやら本当に異様なことが起こったようだと納得して警備会社などに連絡していました。

その日はみんな親に迎えに来てもらって帰りましたが、その後変質者が見つかることもなく変な放送も2度と聞こえませんでした。

 

一体あれはなんだったんだろう?

もしかして機材の故障であんな音が出ただけなのかも?

と思ったりしますが、今でもマイクが入る音を聞くとあの無機質な「あーーーー!!」という男の声が聞こえてくるような気がしてビクビクしてしまいます。

 

 

 

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