廃れたデパートの駐車場で聞こえた甲高い笑い声
2019/09/19
地方にある昔から続くデパートに行った時に、とても怖い体験をしました。
もともとそのデパートは有名なデパートで、昔はかなり多くの人に愛されていたそうです。
しかし、近年になると少子化や人口減少により、かなり訪問者が少なくなっています。
お客さんが減ってしまっても、長続きしているところがとても不思議だったので、そのデパートをよく知っている祖父に尋ねてみました。
すると、そのデパートは心霊スポットで有名であるために、なかなか閉店できないという理由でした。
閉店させると、呪われてしまうという噂が流れているようです。
その話を聞いただけでも、ゾクゾクとした気分になったのですが、実際にそのデパートに行ってみたいという気持ちも同時に湧いてきたのです。
そこで、祖父に一緒に行こうと誘ってみましたが、断られました。
その結果、一人で行くことになったのです。
一人で運転して行くことにしたのですが、なぜかその日は曇り空でどんよりとした天気でした。
また、自宅を出て間もなく、空が真っ暗になり、集中豪雨になってしまいました。
まだデパートに着いていないのにも関わらず、とても不気味な気分になりました
。雷もゴロゴロとなり、空がピカピカしていて怖かったです。
昼の時間帯にも関わらず、夕暮れ時のような雰囲気でした。
怖いながらも運転を続けていると、ついに駐車場に到着したのです。
昭和の雰囲気が流れる駐車場の中は、ガラガラでした。
ほとんどお客さんがいない様子です。
恐る恐る車を止めてみたのですが、その瞬間、何か遠くから音が聞こえてくるのに気がつきました。
甲高い笑い声のようなものが聞こえてくるのです。
暗い雰囲気の中、一人で運転していると、本当に怖くなってしまいました。
誰もいないのに笑い声が止まらないのです。
怖くなりすぎて、自宅に引き返すことにしました。
自宅に帰る途中、さらに雨が酷くなりました。
ワイパーを一番強く設定しても、雨が酷くて窓がとても見にくい状況が続きました。
運転している間は、聞いた甲高い声が頭から離れません。
ガタガタと震えるようにして、一人で運転を続けました。
もしかして車に霊が乗ってしまったのではないかと思い、非常に怖くなったことを覚えています。
急いで自宅に帰った後は、祖父に起きた出来事を話しました。
その時に祖父から聞いてわかったことは、甲高い声が何であったのかということです。
その甲高い声は、昔、地元出身の女性が霊となって住み着いているということでした。
その女性は、かなり昔に亡くなったものの、執念深くずっとデパートに住み着いているようなのです。
その執念深さから現代の人々はデパートに寄り付かなくなったとも言われており、今尚、デパートに来る客を怖がらせているそうでした。
初めて聞いた時には、ゾクゾクとした気分になり怖かったです。
あの時デパートの駐車場で聞いた甲高い声は、今でも忘れることができません。
時々思い出して、怖い気分になってしまいます。