不思議な体験談(心霊スポットのトンネルでいきなりラジオが……)
2019/09/01
心霊スポットのトンネルでいきなりラジオが……
昔よく、心霊現象とか、幽霊病院など、地元で流行っていた頃のお話です。
ある日、友人と2人でドライブしている時に、流行りの怖い話をしていました。
トンネルにまつわる話です。
その時のノリで、噂のトンネルへ行ってみようか、と言うことになりました。
その噂のトンネルと言うのは、山の入り口付近にあります。
トンネルの入り口の両サイドにボロボロの「交通安全」の旗が刺さっていて、薄暗い公衆電話が置いてある様な場所でした。
幽霊を見たと言う人の話では、夜中車で通ると、公衆電話の中に子供がランドセルを背負って座っているらしいのです。
で、ビックリして、その子供をよく見ると、パッと顔を上げ、瞬間、その顔には口しか無くて、しかも『にやぁ』、と笑っているのだ、というものでした。
それで私たちは、丁度そのトンネルの近くに居た事もあり、興味半分で行ってみることにしたのです。
まぁ、興味半分という事で、あまり信じてはいなかったのですが(笑)
……が、そのトンネルが近付くにつれ、夏なのに、何だか肌寒く感じてきました。
それは友人も感じていて、車のクーラーを止めました。
そして噂通り、交通安全の旗が見つかり、だんだん不気味な雰囲気になってきました。
とにかく、何だか気持ち悪い気分になりながら、私達は噂の公衆電話を目指しました。
公衆電話の灯りが見えてきて、ドキドキしながら中を見ました。
しかし、そこに子供は居ませんでした。
私達が、「やっぱり噂だよね」と笑いながら、トンネルを通りUターンしようとした、その時です。
突然今まで聞いていたCDがラジオに切り替わり、しかも、どんどん音が大きくなっていくではありませんか。
音量を下げようと思っても下がらなくて、音はどんどん、どんどん大きくなっていきます。
私達はパニックになりながら、急いでその山道を下りて、町の公道に出ました。
すると瞬間、音量が下がり、元のCDに切り替わりました。
私と友人は、車内で2人、汗びっしょりになって息を荒げていました。
そして、噂の子供が乗り込んでいるのでは、と車内を見渡しました。
幸い、車内には何もいませんでしたが、この不思議な体験は未だに忘れられない奇妙な思い出となりました。
(40代後半女性)
亡くなった父親とのお別れ
昨年夏に父親が外出先で倒れたと警察から電話があり、病院に向かったところ、すでに亡くなっていました。
お墓参りに一人ででかけ、翌朝霊園に犬を散歩していた人に発見されたことを警察の人から聞きました。
ストレッチャーに白い布をかぶせられていたのですが、それを外したところ、父親に間違いありませんでした。
そのときに、思わず天井を見上げました。
亡くなると肉体から魂が抜けだして上でさまよっていると言われましたが、何も感じませんでした。
手がストレッチャーから出ていたので握ってみたところ冷たいだけでした。
死因を特定するため大学病院に移送され、その後遺体が家に運びこまれました。
お通夜まで日にちがあったのでろうそくの火を消さないように見張っていましたが、特に何事もなく朝を迎えました。
告別式後に火葬されて骨壺を実家に持って帰ってからも特に何もおこりませんでした。
ところが1年経ったある日。
夢の中で今まで一度も見たことがない父親の姿が、はっきり見えました。
アパートの3階の廊下をゆっくり歩いている姿を真横から見ている感じで、まるで生きているみたいでした。
父親はそのまま突き当りまで歩いていき、ドアを開けて入っていくときに、ふと、こちらの方を向きなおしました。
その父親の顔が、驚きの表情、あきらめの表情、おだやかな表情、と、次々と変化していたので、私は直感的に、おそらく父親が亡くなる直前の顔だったのではないか、とおもいました。
その後、父親がドアを閉めた時に、私は夢から覚めました。
私はその時、父親が違う世界に行った事を、初めて認識しました。
それ以来一度も夢の中にでてこないので、きっとあれが、この世にお別れした瞬間だったのだろうと、今では思うようになりました。
(50代後半男性)