某宗教施設を、マイクでこっそり録音した時の話
2019/09/06
これは僕が専門学校の頃の話です。
東京の専門学校に通っていたのですが、若さゆえかいろいろなことをしたいと考えていたのと、当時発売したばかりのマイクがつけられる録音できる小型ウォークマンを買ったので、それを試したい気分で、いっぱいでした。
そんな時に、街に立ってお祈りをしている宗教の人たちに声をかけられました。
その人たちは、一度自分たちの訓練場所に来ないかという話になり、そのマイク付きウォークマンの性能を試す意味も含めてついていくことにしました。
場所は、サザエさんで有名な街です。
当時から、「怪しげな宗教組織にいくと洗脳されてやばい!」という話はありましたが、そういうのは、心が弱い人がなるものであって、自分は理路整然と生きているので、関係ないと思っていました。
着いてみると、一回は道場のような場所で、お香をたき、瞑想のようなものをしている人たちがいました。
年配の方々も多くいたので、僕は少し安心しました。
最悪「ぶっ飛ばして逃げればいい」と思っていたからです。
まずは、トイレに行き、ウォークマンにテープをセットし、マイクをズボンのポケットに固定し、録音開始です。
小さいお香くさい小部屋に連れて行かれた時に、ハウリングをおこしたので、慌ててボリュームを小さくしました。
最初の15分は、お経か祝詞のようなものがあり、続いて宗教の人の話を聞くことになりました。
その間、僕は、たいくつだなー、と思っていたのですが、なぜかふいに頭の中に824692という数字が浮かんでいたので、それをたずねてみました。
でも、今でも覚えているこの、824692は、的外れだったらしく、別の数字を言って、「こっちの数が頭に浮かんだんなら、すごいんだけどね。」と言われました。
「まぁ、そんなもんだよね(そんな特殊なことは起きないよね)」と思いつつ、帰ることにしまいた。
帰る時となり、入信をしつこく勧められましたが、特に入信する気もなかったので、「興味本位で来ただけなので、今日は帰ります。
気が向いたら、また来るかもしれないので、その時は、またよろしくおねがいします。」と言って、玄関にあった靴を履いて、走って逃げました。
さて、ウォークマンの録音を止め、電車の中で、聞いてみると明らかにおかしいのです。
宗教の人の説法は録音されておらず、なにかのうめき声のようなものが聞こえます。
「くるしー、たすけて」みたいな声です。
録音している時は、その場所ではそんな声は全く聞こえてきませんでした。
慌てて、イヤホンを耳から話、再生をストップさせました。
変な汗が背中に流れていました。
それでも、私は宗教やオカルトを信じていなかったので、誰か他の人に聞いて意見を聞こうと思いました。
友人たちに事の顛末を伝え、テープを聞かせると、人によって意見が違うのです。
ある人は、「死にたい。もうやめて。」だったり、「つらい、いたい」だったり、「くるしー、やめて」だったり。
人が苦しんでいるという様子は、変わらないまでも、人によって、言っているセリフが違うんです。
とにかく大勢が苦しんでいる声、ということは共通していました。
それは今でも不思議な出来事です。
しかし、そのテープは、友人の一人が紛失してしまい、今は行方知れずとなりました。