家の前にいたのは誰?
私は、東京の郊外に住む大学生です。
家には家族全員で住んでおり、私が大学から帰宅する頃には既に陽も落ち、当然洗濯物も家の中に戻している状態です。
しかし、いくら陽が落ちたとしても、当時私が家に帰ってきたのは23時過ぎであり、そろそろ両親も就寝しようとする時間帯です。
そんな時間に洗濯物を干しているなど、日本中を探しても恐らく見つかりはしないでしょう。
私の家の前には比較的交通量の多い道路があり、夜間でもタクシーやトラックなどが頻繁に通過します。
その道路の後方に私の家が見えるため、道路の前方からは私の家が見えるのです。
当然、交通量の多い道路であるため、一時停止後に横断をするわけなのですが、私が前方より歩いてきた時、道路を挟んで私の家の前で布団のような白い布を干しているような、振っているような動作をしている女の人が見えたのです。
また、その女の人は白いワンピースのような服を着ており、二度見したのを今でも覚えております。
我が家の女性は母だけであり、父、兄、弟である私という家族構成であり、家の前にいた女性は何者なのかという考えが当然に浮かびます。
また、両親共に50代を超え、母がワンピースを着るなどあり得ないですし、そのような考えが浮かぶはずもありません。
先述の通り、家の前の通りは交通量が比較的多く、当時も私の前を1台のタクシーが颯爽と走り抜けて行きました。
そのタクシーが通り過ぎた後、再度家の方向に目をやると、なんと、先程家の前に立っていた女の人がいなくなっていたのです。
いくら家の前だとは言え、タクシーが通り過ぎるまでにかかる時間はわずか数秒。
直前まで布団のような布を振っていた状態で、タクシーが通り過ぎて、私が再度目をやる間のわずか数秒で家の中に入ることは当然不可能です。
また、さらに不可解であったのは、その女の人の色白さです。
家の外灯ほどしか灯がない通りであるため、いくら色白の人でもはっきりと分かるくらいの光量であるには、電柱に掛かっている街灯くらいでなければ判断出来ないはずです。
それなのに、私が見た女の人は、はっきりと白い色のワンピース、色白の肌というのが分かり、不気味に思いながら家に入りました。
その後、母に直前まで家の前で何か布系の物を干してなかったか、と聞いたところ、やはり干していないと言われ、先程の女の人はこの世のものではないと確信しました。
私が家の前で体験した心霊現象は、これのみならず、先述の道路の前で、深夜2時頃、ベランダに出てタバコを吸っていたところ、小さな女の子が1人で立っているのを見かけたことがあります。
気になった私は、インターネットでこの近辺の昔の状況を調べたところ、驚愕しました。
この近辺には昔、お墓があり、その近くにある神社がそれを供養していたようなのです。
それを取り壊し、マンションとなり、それも取り壊され、今の私の家があることが判明しました。
住宅街にぽつんと神社があるのは、この地に引っ越してきた際に不思議に思っていましたが、こんなことで理由がわかるとは思ってもいませんでした。