元ラブホテルに出る人ならざる者の幽霊
2019/09/01
私が、学生の時、宿でアルバイトでに行った時の事です。
当時私は大学の3年生でした。
春、夏、冬の休みには必ず何かしらのアルバイトをしていて、今回の冬休みはどう仕様かと思って居たのです。
すると友達の父親が、アルバイトをする人を探していると、その友達に言われ、2~3日ならお願いしようと思い、友達にバイトの件を頼んでおきました。
暫くして忘れて居た頃にバイトの件宜しくとの事で、引き受けたのです。
ところが、まず出張である事、日にちは未定、おまけに現地集合でした。
初日から遅刻は出来ないのでバイトの前日に会社の営業所に行く事にしました。
ただ、当日になって高熱が出てしまい、代わりに行ってくれそうな人に電話を掛けましたが、良い返事は貰えず、結局私が行く事になりました。
千葉の五井と言う場所で駅を出て直ぐ事務所が在るからと、会社名だけを頼りに五井まで、地図で見ていた時より可なり遠く感じました。
着いた頃に、辺りは真っ暗で、何処に事務所が在るのかさっぱり分かりませんでした。
これから帰る訳にも行かず色々な商店の人達に聴いて回り、夜遅くに付く事が出来ました。
アルバイト先はここでは無く、さらに五井火力の工場地帯で、作業をする近くに泊るとの事でした。
熱が在り体調も良く在りませんでしたが、来てしまった以上はやるだけだと思い、ひたすら付いて行きました。
仕事が終わり、その日に泊まる宿に行きました。
たまたまその日は誰も宿泊客が居ないとの事で1人1部屋、使う事が出来たのです。
宿と言っても昔のラブホテルをちょっとだけ手を加えた様な所でした。
夕食も終わり、風呂に入ってのんびりと部屋でテレビを見て、早く寝ようと思い早めに布団に入りました。
何時頃かははっきりしませんが、布団の上が急に重くなり、胸の所から足の先まで何かがのっかっていて歩き回る様な感じでした。
最初は金縛りだろうと思いましたが、一度目を覚まし、周りを見ても誰も居ませんでした。
ただ、襖が少し開いていたので、閉めに行きました。
又、寝ていると、同じ様な現象が起きたのです。
流石に寝る事が出来なくなってしまいました。
朝、アルバイトの責任者にこの話しをしました。
何となく分かっていた様な感じで、何でもここの宿は契約でけっこう使っているのだそうです。
私と一緒でアルバイトの人なども結構泊るのだそうです。
すると私と同じ体験をしている人が今までにもいるのだそうです。
リーダーが言う事には、ここに出るのは人ではないそうです。
このラブホテルを建てる以前にこの辺りは獣道で色々な獣がいたそうです。
このホテルに客が入らなくなったのもこれが原因で潰れたそうです。
その後に、工事などの人の宿として営業しているのだそうです。
出るのは私の泊った部屋なのだそうで、結局その日も仕事が終わってその部屋に泊る事になりましたが、昼の話を聞いてからは、怖いとは思は無くなりました。
きっと、動物達が行き場を失って出て来ているのだと思い、寝る事が出来ました。