京都の心霊スポット「清滝トンネル」から行きついた先は……
2019/09/02
私が大学生だった頃の話なので、かれこれ20年ほど前かと思います。
当時、京都に住んでいた私は清滝トンネルという不思議なことが起こる場所があるという噂を聞きました。
心霊スポットなのかなんなのかよくわかりませんでしたが、仲の良かった男子学生6人と連れだって、とある深夜に清滝トンネルへ車で向かいました。
清滝トンネルの噂にある、不思議な事を起こすには条件がありました。
清滝トンネルにはトンネルの前に、感知式信号があります。感知式信号というのは、車通りの少ない道によく設置してあるのですが、車が通らないとずっと赤信号で、車が停止線に停まると数分後青信号に変わる、という仕組みの信号です。
清滝トンネルの入り口にはその感知式信号があって、全ての車は一度その信号に必ずひっかかります。
そして青信号になったらトンネルに侵入するというのが普通のトンネルへの入り方でした。
不思議な事を起こす条件とは、信号にひっかからず青信号の時にトンネル侵入すると、何かが起こるというものでした。
清滝トンネルへの道は一本道で、多少道が曲がりくねっているところがありますが、基本的には見通しの良い道路が続きます。
そろそろ清滝トンネルが見えるかなあと思っていたら、遠くに信号が見えました。
信号の色は青でした。
そこまではあまり信号がありませんでしたので、なるほど、こういう信号があって、青のままトンネルに侵入したら条件が整うんだねと同級生と話をしていたら、まさに、その信号が清滝トンネル手前の信号でした。
地元の人は青だった場合、一度赤になるのを待って、再度青信号になったら侵入するそうです。
当然われわれは、不思議な体験をするために深夜にわざわざ車を借りて向っていたのですから、そのままトンネルに突入しました。
トンネル内は特有のオレンジ色の照明に照らされていて、割と明るかったのを覚えています。
注意深く辺りを観察し、じっと窓の外を見ても特に誰も何も気づきませんでした。
何事もなくトンネルを通過したら面白くないので、途中で車を止め、わざわざ周りを調べたりしました。
深夜の時間帯だったので、それなりに不気味な感じがしましたが、結局何事もなく通り過ぎてしまいました。
車内のみんなと確認しましたが、一人増えたり減ったりした形跡もありませんでしたので、笑いながら帰ることにしました。
トンネルを抜け、Uターンできそうな空き地を見つけ、元のトンネルを抜けて戻ろうとしたのですが、トンネルの少し手前で工事の簡易信号があり、トンネルではない道へ誘導されるような配置になっていました。
トンネルを迂回して元の道に戻るような地図が描いてありました。
仕方が無いのでそのう回路へ侵入したのですが、一向に元の道に戻る気配がありません。
結論からいうと、そこから明け方まで山道をさんざん走ってようやく大きい通りにでました。
道中全員無言で、このまま帰れないのではないかと皆相当びびっていました。
大きい通りにでたら、そこは広島県の呉市でした。
マジで怖かったです。