霊が通る学習塾
これは私が中学生の時に実際に体験した話です。
私は中学生の頃、学校の近くにある学習塾に通っていました。
その学習塾は小学1年生から中学3年生まで幅広い年齢層の学生が通う人気のある学習塾でした。
高校受験に向けて中学2年生の頃に私はその学習塾に入塾したのですが、入塾して1年が経ち、高校受験まであと3ヶ月を切った頃にある噂を耳にしました。
それは、私が通っている学習塾には時折、不可解な現象が起きるという内容のものでした。
誰もいないはずの教室の電気が急についたり二階へ向かう階段に黒板消しが落ちていたり……
私は霊の存在について信じていなかった部分もあって、その時は『あー・・中学卒業間際ってことで誰かがいたずらして都市伝説的なものを作ろうとしてたんやろ、しょうもな』と思い、話をスルーし、ペンを再び走らせました。
しかし、後に私は霊の存在を信じざるを得ない出来事に遭遇してしまいました。
高校受験まであと1ヶ月を切ったある日、私は二階に上がって左の1番奥の教室で授業を受けていました。
まだ寒い時期だったので、部屋は暖房がガンガン効いていて、とても暖かかったのを覚えています。
そして授業が終盤に差し掛かろうとしていた時にある不可解な現象が起きました。
音を立てて部屋を暖かくしていた暖房が急に止まったのです。
教室にいた私と私の友人たちは『え!?こんな大事な時に故障かよ!』と悪態をついていました。
しかし、授業も終盤に差し掛かっているのもあって、先生はこのまま我慢して授業を続けることを私たちに告げました。
その時です。
木造の廊下を『バンバンバンバン!!』と激しい音を立てて歩く音が聞こえました。
教室にいる我々はその音に反応し、すぐさま廊下に目を向けました。
すると、女性が下を向いて笑いながら教室を横切っていったのです。
ある生徒が『え? いまの誰? 授業中してるのにあんな音立てて歩いてくとか頭おかしいやろ(笑)』と発し、笑いが起こりました。
授業を妨害された先生は廊下を大きな音を立てて歩いた女性を注意しようと廊下にでました。
そして先生は女性が歩いていった方向を見て声を出そうとした時、あることに気づいたのです。
私たちが授業を行なっているのは二階の角部屋であること。
そして先生の視線の先に映っているのは壁。
そこに女性はいませんでした。
そして、我々の教室の反対側にも教室があったのですが、そこは授業をしていなかったため、真っ暗な空間がただただ広がっているだけ。
『嘘やろ……』と先生が放った言葉を聞いた私たちも状況を理解し、だんだんと笑いが消えていきました。
そして、そのタイミングで故障したと思われた暖房がまた動き始め、その日の授業はそこで終わりました。
これは後にその学習塾を立てた塾長から聞いた話しなのですが、近くにある神社へ霊を導くための霊道というものがあって、まさにこの学習塾にはその霊道が通っているらしいのです。
そして、あの出来事が起こる1日前、霊感のある小学生の生徒が『腕を探してる女の子がいるよ! みんなで腕を探そうよ!』って言っていたというのです。
以上、私が実際に体験した霊を信じるきっかけとなった出来事でした。